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機体の表面に、空気や水の抵抗を少なくするカバーを取り付けます
前回は主翼取り付けの様子をお伝えしました。
今回は、飛行中の空気抵抗や水上滑走中の水の抵抗を少なくするために、機体の表面にカバーを取り付ける工程をご紹介します。
このような機体表面の整流(気流の乱れを整える)用のカバーを、一般的に「フェアリング」と呼びます。前回、「US-2」は胴体の上に主翼が載っているとお話ししましたが、主翼の前後にあって、それぞれ胴体との段差をなだらかにしているものがフェアリングです。機首にある気象用レーダーのカバー(レーダードーム=レドームとも呼ばれます)や、垂直尾翼上部の後方に突き出たカバーもフェアリングです。
また、フェアリングと同じく整流用のもので、機体表面から膨らんでいるものを「バルジ」と呼びます。もともとは艦船の左右舷側にとりつけて、浮力をアップさせたり、復原性(左右への傾きを抑える)を高めたりするものですが、航空機でも車輪の格納などのために設けることがあります。「US-2」やその前任機「US-1A」の胴体形状は、実は新明和工業として最初に量産した飛行艇「PS-1」から大きく変わっていませんが、「US-1A」「US-2」では、滑走路での離着陸も可能にするために、降着装置(ギア=車輪やその支柱)が強化されており、その大きくなったギアをカバーするためにバルジが追加されました。
フェアリング、バルジが取り付けられると、「US-2」の美しい曲線美が見えてきます。ここからは、動翼やギアの取り付けと並行して、機内でも機器の搭載や配線などの作業が進められます。
ライター 板倉秀典
- ※本連載の著作権等は新明和工業株式会社に帰属します。当社の許可なく内容や画像およびその一部を他の目的で転用することはご遠慮ください。
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