長期・中期経営計画
当社グループは、 創業100周年(2020年)を経て今後も持続的成長を続けていくために、「経営理念」を拠り所とし、2030年を目標年に置いた将来展望を「長期ビジョン」として掲げました。
現在、「経営理念」に掲げる「たゆまぬ技術革新による人々の幸せへの貢献」に向け、 社是、行動指針、行動規範に則った事業活動を行っており、「長期ビジョン」の実現に向けて当社グループのありたい姿を具体化し、その姿と現状とのギャップをバックキャストで埋めていく「長期志向経営」を進めています。
長期ビジョン
制定 2020年4月1日
経営理念に基づき、新明和グループが目指す2030年の姿を表したものです。
グローバルな社会ニーズに応え、
都市・輸送・環境インフラの高度化に貢献する
価値共創カンパニーを目指します。
長期経営計画
Sustainable Growth with Vision 2030([SG-Vision2030])
ー 価値創造による持続的成長 ー
我々は今後も持続的成長を続けていくために、「経営理念」をよりどころとし、2030年を目標年に置いた将来展望を「長期ビジョン」として掲げ、創業以来100年以上にわたり培ってきた経営資源と、事業活動により蓄積し続ける「6 つの資本」の活用により、成長戦略(海外展開加速、新事業創出、戦略的M&A、DXの推進)と事業ポートフォリオ戦略(5つの事業によるステークホルダーへの価値提供)で社会課題を解決し、サステナブルな未来の実現を志向してまいります。
基本方針
以下2つの経営テーマに並行して取り組み、経済価値と社会価値を持続的に創出することで、企業価値の向上に取り組みます。
- 1.「長期事業戦略」:2030年の社会未来像を描き、これを実現する事業施策を立案・実践
- 2.「経営基盤の強化」:長期事業戦略を支える「サステナビリティ経営」の実践でSDGsに貢献
推進計画および目標とする経営指標
長期経営計画の10年間(2021~2030年度)を3つのPhase(段階・期間)に分け、各期間について中期経営計画を立案・推進することで、「長期ビジョン」の実現および各種経営指標への到達を目指します。
価値創造プロセス 概念図
中期経営計画[SG-2026]<[SG-Vision2030] Phase2【拡大】>
[SG-2026](2025年3月期〜2027年3月期)は、2031年3月期をゴールと定めた長期経営計画[SG-Vision 2030]のPhase2【拡大】とし、「長期ビジョン」を志向する第2ステップと位置付け、成長の加速を図っていきます。
[SG-2023]で既に顕在化している課題を確実にやりきるとともに、【拡大】に向けた、以下に示す6つの基本方針を掲げて取り組んで参ります。
基本方針
A)海外展開加速:東南アジア・オセアニア・北米への展開強化
B)戦略的M&A:海外拡大、新事業創出への積極的活用
C)DX推進:データ活用による価値創造、新たなビジネスモデルの開発
D)新事業創出:事業シナジー、社外との価値共創による新事業創出
A)ROICを基準に5事業を「成長力強化事業」と「収益力強化事業」に区分し、事業ポートフォリオ・マネジメントを実行
B)ポートフォリオの区分に基づいた投資および新事業創出で[SG-Vision 2030]を志向
A)ROIC 逆ツリー展開:全部門・グループ会社でのスループットの増大、運営費の低減、大幅な生産性の改善
B)キャッシュアロケーション:事業ポートフォリオ戦略に則った投資戦略によるROICの向上、財務の健全性を踏まえた資金調達
A)成長戦略に則った人材の獲得と育成:デジタルリテラシー教育、グローバル人材教育、高度専門人材の獲得、戦略的な人材ポートフォリオ
B)従業員エンゲージメントの向上:D&I推進、従業員のキャリア形成支援、女性リーダーの育成
A)環境:GHG 排出量算定Scope1・2のグループ会社への展開およびScope3の導入、環境適合製品認定制度の検討
B)社会:ステークホルダーへの提供価値の拡大による企業価値の向上
A)リスクマネジメント:気候変動や人権問題に起因する事業リスクのモニタリングとCSR対応。BCM/BCP※対応、情報セキュリティー対策強化等
B)コンプライアンス:コンプライアンス教育、コンプアイアンス意識調査の継続実施、内部通報窓口の活用強化
- ※BCM:事業継続マネジメント(Business Continuity Management)、※BCP:事業継続計画(Business Continuity Plan)
経営指標
経営指標 | 2024年3月期(実績) | [SG-2026](目標値) |
---|---|---|
売上高 | 2,570億円 | 3,200億円 |
海外売上高(上記売上高の内数) | 532億円 | 800億円 |
営業利益 | 117億円 | 180億円 |
ROE(%) | 7.1% | 10%以上 |
ROIC(%) | 5.3% | 7%以上 |
為替レート(1USドル) | 144.8円 | 140円 (設定値) |
セグメント | 売上高 | 営業利益 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
2024年3月期 (実績) |
[SG-2026] (目標値) |
成長率 | 2024年3月期 (実績) |
[SG-2026] (目標値) |
成長率 | |
特装車 | 1,005 | 1,322 | 132% | 23 | 73 | 315% |
パーキングシステム | 413 | 581 | 141% | 27 | 45 | 162% |
産機・環境システム | 429 | 435 | 101% | 33 | 34 | 101% |
流体 | 263 | 280 | 106% | 41 | 45 | 109% |
航空機 | 319 | 389 | 122% | 21 | 27 | 123% |
その他 | 139 | 183 | 131% | 6 | 10 | 149% |
新事業 | 0 | 10 | ― | -5 | -18 | ― |
調整額 | ― | ― | ― | -31 | -36 | ― |
合計 | 2,570 | 3,200 | 124% | 117 | 180 | 152% |
[SG-2026]利益増減明細
(2024年3月期実績 対 2027年3月期計画)
- 要因別
- コストダウンを上回る原材料費(部品費含む)高騰の影響(-97億円)は継続するが、価格改定の効果(+138億円)が浸透。
売上拡大効果(+106億円)、運営費(人件費・減価償却費)の増加による影響(-85億円)を見込んでいる。
- セグメント別
- 遅れていた値上げ効果と売上増により特装車セグメント(+50億円)とパーキングシステムセグメント(+18億円)で大幅な増益を見込むが、新事業開発に向けた研究開発費および経営基盤強化のための本社費など費用増が影響(-18億円)する計画。
[SG-2026]成長戦略
海外展開加速 | セグメント間の連携、現地企業とのアライアンスの強化 |
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新事業創出 | 新事業創出への挑戦: 新事業戦略本部を中心に、セグメントを横断し「強み」を生かして「共創」を推進 |
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戦略的M&A | 戦略的M&Aの活用、共創による価値創造 |
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DX推進加速 | 業務プロセスの改革 | バリューチェーン・データの標準化/共通化により、業務のスマート化とデータ集約を促進し、情報の可視化と迅速な意思決定を可能とする「経営プラットフォーム」を構築 |
ビジネスモデルの変革 | 「顧客データ」「自社データ」「オープンデータ」を組み合わせ、AI/IoT、データ・アナリティクスの活用により新たな価値を創出し、ソリューション提供型ビジネスモデルへの変革を図る |
[SG-2026]事業ポートフォリオ戦略
[SG-Vision 2030]のゴールを見据え、2028年3月期からの「飛躍」を志向
ROICを基準に5事業を「成長力強化事業」と「収益力強化事業」に区分し、投資戦略を推進すると同時に、5事業のシナジーと外部との価値共創による新事業創出に取り組みます。