自律走行ロボット(Autonomous Mobile Robot)を活用した配送システムの研究開発

物流の抱えるラストワンマイル問題の解決を通じて輸送インフラの高度化を目指す

本システム開発の背景

ECの市場が急拡大し、私たちの暮らしに欠かせない社会インフラの一つ「物流・運輸」。
しかし、近年はドライバーの人手不足や小口配送の増加、これらに伴う配送遅延や運送コストの上昇など、物流業界を取り巻くさまざまな課題が社会現象となっている。特に、高品質なサービスが求められる “ラストワンマイル”(ECサイトで注文した商品等が物流拠点から配送され、消費者に届く最後の工程)での問題が深刻化している。

  • 主なラストワンマイルに関わる問題
    • 配送効率の低さ
    • ライフスタイルの変化による受取ニーズの多様化
    • 頻発する再配達
    • 路上駐車による交通環境への影響、環境負荷の増加
    • 配達ドライバー不足

新明和のソリューション

近年、駅やコンビニなどの敷地内などで、荷物を受け取ることができるロッカーの整備が進んでいるが、消費者(荷受人)が自ら足を運んで荷物を受け取る必要がある。
既存事業で培ってきた技術や開発ノウハウを生かしながら、外部の力も積極的に活用することで輸送インフラの高度化に寄与する新たな価値の創造を目指す当社では、技術開発部が、自律走行ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)による荷物の集荷や集積地からの個別配達、AMRへの充電という一連の動作を自動で行う新たな配送システムの開発に着手した。
宅配事業のラストワンマイル諸問題の解決に加え、ショッピングモールや空港、集合住宅など施設内の物流での活用も期待できる。
2024年度は、当社本社敷地内において自律走行および建屋間搬送の実験を行った後、社内便の配送などで試行する計画。

配送システム イメージ動画

技術開発部について

本社の一部門である技術開発部は、新規事業の創出と基盤事業強化・拡大の2つを使命としており、全社の事業に関わる要素技術を研究開発する部署です。
当社にとって新たな技術の研究開発を行うとともに、これらを活用した新しい製品・サービスの開発と、各事業部と連携しながら既存製品の付加価値向上に取り組んでいます。研究開発のプロフェッショナルとして高い技術力とイノベーターシップで製品競争力強化と新たな価値創造により社会に貢献することを目指しています。

開発現場の声

技術開発部
第1グループ
 國武さん

当社が有している機械式駐車設備など機械構造物の製造・制御技術と、AMRという新しい領域の技術をいかに融合させ新しい価値を創造していくかという挑戦は大変ですが、大きなやりがいも感じています。
当社では、1970年代にアーク溶接ロボットやクリーンロボット等を開発・製造しているほか、航空旅客搭乗橋の自動装着システムの開発など、ロボティクスや自動化に関してさまざまな技術を擁しています。一方で、当社にとって新たな領域となる、近年世界中でしのぎを削る車両等の自律走行(自動運転)に関しては、その中で重要な役割を果たしている周辺を認識する技術や、知能的に判断を行う技術などのさらなる研究開発が急務です。
本開発を通じて確立される新たな要素技術が、今後、当社の製品・サービスの高付加価値化、ひいては労働力不足を解消する輸送インフラの高度化により、安心で快適な社会の実現に寄与できるよう、実用化に向けて尽力してまいります。

事業パートナーを募集しています

本システムは、特定領域内(学内、工場内)での実用化から始め、最終的には、主に公道走行におけるAMR関連技術やノウハウを有する外部パートナーと共に、物流業界全体の課題解決やスムーズな物流を支える技術へと発展させていきたいと考えています。共同開発に関するご相談・お問い合わせを受け付けておりますので、以下担当部門までメールでお気軽にご連絡ください。

新明和工業株式会社 技術開発部 「AMR配送システム」 問い合わせ窓口:
info.delivery.sys@shinmaywa.co.jp