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建造開始!
いよいよ機体の組立がはじまります
塗装が終わった部品は検品が終わると組立工場へ運ばれ、いよいよ組み立てがはじまります!
航空機の製造では、この段階を「建造開始」とします。
大型航空機の胴体は一般的に「セミ・モノコック」と呼ばれる構造でつくられています。これは「US-2」も同様。セミ・モノコックの胴体は次のような方法で製造します。
- 1胴体を輪切りにしたような形状の「フレーム(円框(えんきょう))」を数十個つくります。
- 2フレームを数十センチ間隔で並べ、隣り合うフレーム同士を「ストリンガー(補強材)」でつなぎます。
- 3「2」でできた骨組の外側に「スキン(外板)」を張り合わせます。
「US-2」の組立工程でも、まず数十に及ぶフレームをつくります。フレームを構成する部品は機体全体の基礎となりますので、ここまでの部品切り出し、加工等の工程でゆがみや穴の位置のズレがわずかでもあると使用できません。
そのため、いきなり部品同士を接合するのではなく、全体を仮組みして全ての部品に少しの異常もないかを慎重に確認し、問題がなければリベットで接合します。
次に、組み終わったフレームにストリンガーを組み付けて骨組みをつくり、その上からスキンを張っていきます。「US-2」の場合は、胴体(艇底、艇体)のほか、外翼(主翼)、艇尾、尾翼など、機体をおよそ10個のブロックに分けて並行して製造します。
部品の精度が低くても、また組立手順を間違っても、部品作りからやりなおし。全体の建造スケジュールにも影響を及ぼしかねませんので、組立中は何度も何度も慎重に確認する、緊張の作業が続くそうです。
大きな飛行艇ですが、非常に繊細につくられているのを改めて感じますね。
ライター 板倉秀典
- ※本連載は、防衛省の許可を得て制作、掲載しています。内容および画像の転載はご遠慮ください。
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