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部品の成型
職人技と化学が融合した工程です
アルミ合金の板材から切り出した「US-2」の部品は、どれもまだ真っ平らで、サイコロでいうとまだ展開図のような状態。これを曲げたり穴を開けたりして、指定された部品の形に仕上げていきます。
これには、板材を任意の曲線や角度に曲げられるプレスブレーキ、板材を金型に挟んで強い圧力をかけて一気に加工する液圧プレスなどの工作機械を使います。また、これらの機械では加工できない複雑な形状の部品については、熟練の職人がハンマーで叩いて手作業で曲げていきます。
こうした曲げ加工を行うには、柔らかく薄いアルミ合金のほうが適していますが、それでは「US-2」に必要な強度が出せません。
そこで行うのが、「熱処理」と呼ばれる工程です。一部のアルミ合金には、熱を加えたあと一定時間常温で放置すると硬くなる性質がありますので、強度が必要な部品についてはその性質を利用します。
具体的にはオーブンを使って定められた時間高温にさらし、その後常温に戻すことで硬くしていくわけです。このノウハウは、新明和が川西航空機として飛行艇を製造していたころから約80年間受け継いできた大切な財産です。
ライター 板倉秀典
- ※本連載は、防衛省の許可を得て制作、掲載しています。内容および画像の転載はご遠慮ください。
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