航空機事業 研究開発
国内初!固定翼型無人航空機のレベル3飛行による海洋ごみ空撮調査を実施
航空機事業部が研究開発を進める固定翼型無人航空機「XU-S(“Experimental Unmanned / Utility aircraft by ShinMaywa)」。LiPo(リチウムイオンポリマー)電池を動力源とし、排気ガスを発生させることなく、長時間の滞空能力を有する点が特長の無人航空機で、広範囲かつ高度領域での観測飛行が可能です
これは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が企画し、事務局を務めるパーソルプロセス&テクノロジー株式会社が公募した「地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」(地域実証)に、対馬市(共同提案自治体)、明治大学自動運転社会総合研究所(MIAD)と共同で応募したテーマが採択されたもので、NEDOが主催する「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」の一環として実施したものです。
今回の実証実験で「国内初」となるのは、以下の3点です。
- レベル3飛行(無人地帯・補助者なし・目視外飛行)での海洋ごみ空撮調査
- 定期航空便が就航する空港を離着陸拠点とするレベル3飛行
- 衛星通信により管制・制御される固定翼型無人航空機とドローン運航管理システム(UTM)との接続
実証実験では、「DRESSプロジェクト」が開発したUTMと接続した飛行を行いました。なお、「XU-S」とUTMとの接続インターフェース開発は、当社グループの新明和ソフトテクノロジ株式会社が担当しました。
実験では、対馬空港を離着陸拠点とし、衛星通信で「XU-S」の管制・制御を行い、対馬島の西側海上でレベル3飛行による海岸空撮調査とおよび海上浮遊物の捜索飛行を複数回実施、最大で1時間12分、約63kmの連続飛行を行いました。
その間、「海岸に漂着したごみ」と「海上を漂流するごみ」について、いずれも一般的な回転翼型ドローンでは航続時間・航続距離が不足する箇所からの空撮に成功しました
現状、対馬の漂着ごみの実態調査は、調査員が船で接岸・上陸し徒歩で行っていますが、広範囲にわたることから、漏れなく調査することは困難です。今回実証した固定翼型無人航空機による空撮調査が実用化されれば、調査の効率化と詳細把握が期待できます。また、海上から漂流ごみを早期に発見できれば、近い将来、漂着する前に船で回収することも可能となり、環境改善も期待できます。
航空機事業部では、今後も観測・監視・通信などの幅広い分野において、これまで実証を行った大気汚染や海洋ごみ空撮などのサービス提供に加え、ユーザーが希望する運用や要望に合わせた無人航空機の設計・製造も含めたエンジニアリングビジネスの構築を目指してまいります
先進航空機の性能・ミッションに関するご要望や、共同事業に関する窓口:
新明和工業株式会社 航空機事業部 info.uav@shinmaywa.co.jp
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