用語集

ルーツブロワ

ルーツブロワとは

ルーツブロワとは、ケーシング内のロータを回転させて空気を送り出す容積形の送風機です。

ルーツブロワ
ルーツブロワ

ルーツブロワの仕組み

ルーツブロワのケーシング内部には、互いに反対方向へ回転する2つのロータがあり、ケーシング内壁と各ロータ、および2つのロータの間でわずかな隙間を保って、非接触で回転します。ケーシングとロータとの間に閉じ込められた気体は、吸入側から吐出側へ移送され、ケーシング外部に吐出されます。ロータの形状は2葉と3葉のものが一般的でしたが、新明和工業では業界初となる4葉ヘリカルロータを開発しました。

  1. 社団法人 日本産業機械工業会 風水力機械部会 ロータリ・ブロワ委員会 会員企業に関する自社調べによる
ルーツブロワの空気を移送する仕組み
ルーツブロワの空気を移送する仕組み

ルーツブロワの特徴

2つの軸とロータ、ケーシングというシンプルな構造のためメンテナンスが容易であること、ロータが非接触で回転するので摩耗が少なく耐久性に優れている点が特徴として挙げられます。

また、ケーシング内に潤滑油を使用しないオイルフリー構造のため、クリーンな空気を供給することが可能です。圧力変動があっても空気量の変動が少なく、安定した送風を行うことができます。

ルーツブロワの用途

ルーツブロワの活用事例として、水処理プラントや工場、学校、病院といった場所にある排水処理設備の水処理ばっ気があります。

ばっ気とは、排水などの汚水に空気を供給して、汚水中の酸素濃度を増加させる処理のことです。酸素濃度を上げて酸素を好む微生物(好気性微生物)を活性化させることで、汚水浄化を行います。このばっ気に必要な空気を供給するために、ルーツブロワが活用されています。

新明和工業のルーツブロワは、ルーツブロワの課題である騒音を解決した静音設計モデル、臭気ガスの吸引・圧送向けに無電解ニッケルメッキで耐食性を向上させたモデル、ブロワ室が不要な水中モデルなどがラインアップされています。

用語集⑮_ルーツブロワ_03
排水処理設備のばっ気