受け継ぐこと - 匠の技と心意気

品質にこだわり続ける心意気

品質にこだわり続ける
心意気

流体事業部 小野工場 製造部
増山さんMASUYAMA

流体事業部 増山

品質にこだわり続ける
心意気

流体事業部 小野工場 製造部
増山さんMASUYAMA

 入社当時は機械加工を担当した。「若手のころは、短時間でたくさん仕上げることを強く意識していました」。しかし、速さを重視するあまり品質がおざなりになってしまい、先輩から厳しく注意されたこともあった。先輩たちの仕事ぶりを見ているうちに、品質への意識を強めていく。「リードタイムを意識するのは当然で、安定した品質を供給する重要性を学びました」。製造現場では、数値制御され、プログラムすれば自動的に機械が加工するNC旋盤を用いていたが、増山さんは部品の材質に適した刃物の回転数や形状を選び、さらに、「実際の仕上がりを目と手で確認し、機械のクセを見極め、細かい数値を調整することもありました」。完成度を高める「ひと手間」を惜しまないようにした。

 機械加工のほか工務課での進捗管理や組立などさまざまな部署を経験し、現在は生産技術部門で治具の製作や工場のレイアウト変更など職場改善に関わっている。ただ「品質へのこだわり」は一貫して変わらない。「どうすればよりモノをつくりやすくなるか、常に考えています」。工場のレイアウト変更では、設備面の条件を考慮しつつ、作業者の視点にも立ち、最適な配置を何度も検討した。「モノをつくる側から、それを支える側になっても、『品質の高いモノづくりにこだわる心』に変わりありません」と語る。

 また、増山さんは2016年の春から「工師」となった。「後世に伝えるという使命を改めて実感し、身の引き締まる思いです」。特称者としての活動や日々の業務を通して後進の育成を行っている。匠として、これまで自身が培ってきた技能を伝えるだけでなく、「日ごろから品質にこだわる姿勢を見せることで、技能者としての心構えも伝えたいと思っています」。

仕事の相棒

工具とメジャー

レンチやドライバー、エアボールなどの工具を使って自らの手で設備を作る。「この工具は安全に作れるよう工夫されているので、愛用しています」。また、メジャーは常にポケットに入っている。「気になるところがあれば、すぐに計測・調整します」。

仕事の相棒
匠の横顔

匠の横顔

 寺浦さん(写真左)は機械加工を担当しており、増山さんとは異なる部署で働いているが、国家技能検定や社内技能競技会などへの出場時、指導を受ける。「職人としてモノづくりに向き合う姿は厳しいですが、指導者として優しく根気よく教えてくれます」。初めて出場した「『ものづくり兵庫』技能競技大会 」では、十分に力を発揮できず、悔しい思いを味わった。いかなるときにも質の高い製品を作り上げる難しさを実感した。「増山さんから少しでも多くの技能を学び取り、練習に励んで、次の大会では必ず入賞します」と力強く語った。旋盤を前に、アドバイスする増山さんと、真剣に耳を傾ける寺浦さんの姿に、増山さんの技能と心が確実に受け継がれているのを感じた。
※ 「ものづくり兵庫」技能競技大会…兵庫県職業能力開発協会が主催する、県内の若手技能者向け技能競技会。