受け継ぐこと - 匠の技と心意気

製品と真摯に向き合う心意気

製品と真摯に
向き合う心意気

産機システム事業部 製造本部 製造部
一野さんIchino

産機システム事業部 一野

製品と真摯に
向き合う心意気

産機システム事業部 製造本部 製造部
一野さんIchino

 当社の技能者養成所では溶接の方法やヤスリの使い方など基本的な技能を徹底的に身に付け、「技能五輪全国大会」にも出場した。全国大会出場前の訓練期間には、昼は実技訓練で積極的に技を学び、夜も自主的に勉強会を開くなど、夢中で腕を磨いた。

 入社後は多種多様な製品の溶接を担当し、経験を積んだ。「当時は機械の調整など全て自力で行わなければならず大変でした。しかし苦労した分、技能レベルも経験値も上がったと思います」。現在、一野さんは他事業部の製品製造も担当しており、全て仕様が異なっていることから、「どのような製品であっても、まず図面を丁寧に読み込みます。それから、いつ、どのような作業をするのが適切かをじっくり検討し、実際の作業に取り掛かるんです」。これまでの経験と知識を応用し、対応できるという。技能者養成所(新明和工学院)在籍時から培ってきた確かな腕と豊富な経験は一野さんの最大の強みだ。

 だが、良いモノを生み出すためには、それだけでは不十分だという。「モノは正直です。作った人の心構えや気持ちなどが製品の出来にも現れますから。製品一つ一つと真摯に向き合うことが必要です」。自身も気の緩みから、失敗した経験を持つ。厚板構造物の多層盛溶接を担当したときだった。単純な作業だ、と油断していたのか、完成後の超音波検査で内部に欠陥が見つかり、やり直さなければならなかった。技や経験があっても、作り手の気持ちが製品に向いていなければ、製品に何かしら『欠陥』として現れることを実感した。キャリアを重ねた今も、製品との出会いは一期一会。「最近は機械化が進みましたが、技能者として、一つ一つ気持ちを込めてモノを作りたいです」。

仕事の相棒

指し金

これ一つで角度の確認、長さの計測、線を引くことの三役をこなすことができる。毎日業務に使用する、なくてはならない相棒。

仕事の相棒
匠の横顔

匠の横顔

 入社以来、一野さんと同じ部署に所属している田中さん(写真左)。身近で見続けてきた匠のすごさについて「最初に図面を見たときから完成する瞬間を見通しています。私は完成して初めて『あの時の作業はそういう意味だったのか』と分かるんです」と、語る。
 また、一野さんとは仕事だけでなく、プライベートで一緒に過ごすこともある。「普段はとても面白い方ですが、製品に関わると『職人の目』になります。この一野さんの技と精神を学び、成長したいです」。製品一つ一つときちんと向き合うという匠の信念を肌で感じているようだ。