大きけりゃいいってもんじゃない。ポンプの適材適所

記録的な豪雨が猛威を奮う昨今。日本各地で続発した洪水被害はまだ記憶に新しいのでは?この苦い経験を機に、水害対策への積極的な取り組みが全国規模で推進されています。また近年、局地的集中豪雨や高潮により施設内のポンプ室が水没し、排水機能が停止してしまう事例が増加しており、耐水性を伴ったポンプに注目が集まっています。そこで、小型ながら過酷な環境に耐えることのできる水中ポンプの出番です。新明和は独自の技術により、水中ポンプでありながら陸上での運転も可能な水陸両用(耐水型)ポンプを開発。津波などの災害時においても高い可用性を発揮しています。人々の暮らしを守るという新明和の熱い思いが形になった製品です。

過去の降雨量データがモノを言う?排水量と確率論

想定外の豪雨…とよく耳にしますが、排水施設の排水量を決定し最適なポンプを選定するための指標となるのは、実は過去の降雨量データから導き出された確率だということをご存知でしょうか?昔は「3年確率」といって、3年間の中で最も多かった降雨量を基準とするケースが多かったのですが、最近では「5年確率」や「10年確率」という基準も増えてきました。そのエリアでの過去10年の間に降った雨のすべてが対象になるのですから、そこから導かれるのは相当な排水量になるはずです。それにも関わらず、それを超える降雨量があった場合…それを想定外の豪雨と言っています。

顧客の声から最適な答えを導き出すエンジニアリングの力

大切なのは、お客様の側に立っていかに最適化されたご提案ができるか。例えば現地の状況を見て、このスペースに、どんなポンプを設置すれば、どのくらいの年間電気代でどのくらいの排水能力を発揮できるのか?あるいは海に排水する場合であれば、海の潮位変化を踏まえた水理学的ノウハウを活かしながら、ポンプのような機械だけでなく、電気や土木の視点も含めたトータルな設備エンジニアリング提案ができる点は、他社にはない新明和ならではの強み。ポンプメーカーでありながら、お客様にとってそれがベストであれば、ポンプを使わないご提案をすることもしばしばです。

いざという時に確実に動かすために…メンテナンスの美学

排水ポンプが作動するのは水害を未然に防ぐため。つまり1年のほとんどの期間は動いていません。機械というものは動き続けていればちょっとしたトラブルの予兆が分かりますし、逆に壊れにくいのですが、ずっと止まっていたものをいざ動かすとなると、その時はじめて故障に気づくということがままあります。サービス専門のグループ会社・新明和アクアテクサービスでは万一の災害時に備え、梅雨が始まる前の5月には点検を行い予防保全に努めています。水中という、住民の方には見えないところでしっかりと地域を守りつづけるために、絶えず私たちのチカラは注ぎ込まれています。