ShinMaywa INSIGHT

社外取締役に聞くー多様な視点がひらく、これからの働き方ー

当社では、多様性を尊重し、一人ひとりが自分らしく力を発揮できる職場づくりを目指しています。 そこで、豊富な経験と専門性を持つ社外取締役と従業員によるクロストークを実施しました。 本企画では、女性活躍をリードする社外取締役の皆様とともに、新しい価値観や組織の未来について考えていきます。

今回は、取締役の長井 聖子(ながい せいこ)さんに、女性従業員2名がインタビューを行いました。

取締役 長井 聖子(ながい せいこ)さん

取締役
長井 聖子(ながい せいこ)さん

インタビュアーは、当社女性管理職のお二人🎤

航空機事業部 生産本部 資材部長 O.T.さん
特装車事業部 広島工場 総務課 担当課長 F.Y.さん

キャリアの転機は「JALの破綻」


icon imageF.Y.さん
これまでのキャリアを振り返られて、「転機」はありましたか?

日本航空(以下、JAL)で経営破綻を経験したことです。
当時管理職であった私は、株主対応をはじめさまざまな課題の最前線に立ちました。社員のメンタルケアや、仲間の雇用に関わる苦い役回りも担い、一時は退職を考えたこともありましたが、再上場までは頑張ろうと決意し、再上場後グループ会社の統合を任されるなど、会社から求められる役割に応え続けていました。
その後、ご縁があって関西外国語大学の教壇に立つことになりました。教え子の中にはエアライン業界を目指す学生もいますが、メーカーなど多様な業界に進む学生たちを見ているうちに、私自身も航空業界の外で経験を積みたいと思うようになり、当社において社外取締役という新たなキャリアをスタートできたことも転機になったと感じています。
icon image長井さん
JALの再生から学ぶ

組織の成長を支えるのは『共通の判断軸』


破綻から再生までの道のりは苦しいものでした。しかし、危機に陥る会社の前兆とはどういうものか、また会社が危機に直面したときに人や組織がどう変わるべきか、そしてトップの声を現場の隅々まで届けることの重要性を実体験できたことは、私にとって大変貴重な経験でした。
icon image長井さん
icon imageF.Y.さん
「トップの声が届く」とは、具体的にどのようなことだったのでしょうか。

一つは「コスト意識」の変化です。経営破綻前は各現場に経営を意識する風土がなく、そこで稲盛和夫氏が導入したのが部門別採算制度※1でした。会社経営に直結する数字と向き合うことで、自らの行動が経営とつながっているのだと、現場の一人ひとりが意識するようになりました。

また、部門別採算だけではなく、「JALフィロソフィ※2」が導入され、JALグループ共通の価値観が浸透していった結果、V字回復へと繋がりました。制度や仕組みは時間とともに形骸化しがちですが、再建後もこの取り組みが持続しているのは、フィロソフィが組織に根付いたからだと思います。稲盛氏と従業員が直接対話する場を通じて、会社が目指す方向を全員で共有できたことで、従業員一人ひとりが会社の持続的成長を自分事として捉えるようになりました。

フィロソフィの中でも特に印象的なのが、人として何が正しいかで判断する、という考え方です。当時、数字に追われていた従業員が、稲盛氏に相談した際、「フィロソフィには時と場合によって相反しているのでは、と思う内容もあるかもしれない。しかし一番大事なのは、人としてどうあるべきかで判断することだ」とフィロソフィを説かれたのです。厳しい環境下にあってこそ、基本に立ち返る指針の存在の大切さを強く実感しました。
フィロソフィは、トップから現場までが共有する全社共通の判断軸です。破綻前と後で、JALで働く顔ぶれが大きく変わったわけではありません。それでも、全員が同じ価値観を志向し、実践することで組織の結束力は飛躍的に高まりました。その結果として、JALは再生を果たすことができたのだと思います。
icon image長井さん

対話が組織の垣根を取り払う


フィロソフィの浸透・共感が組織を変えたことは間違いありません。しかし、放っておいて浸透や組織を超えた共感が生まれるわけではありません。
変化のきっかけになったのは、各種教育を通じて他部門と対話する機会が増えたことだと思います。それまでは他部署との交流が少なく、お互いの仕事や考え方を十分に理解できていませんでした。どの部署も「お客様のため」「会社のため」に行動しているにもかかわらず、お互いの事情を知らなければぶつかってしまうことがあります。

当社の場合、事業部によってつくっているモノやお客様が異なります。各々が専門性や誇りを持つことはとてもいいことです。ただし、「新明和」という一つの会社・グループであることを忘れてはなりません。職種や立場が異なる方々が対話をする機会をもっと増やし、対話を通じてお互いを理解し合い、何がお客様や会社にとって最善なのかを一緒に考える行為を通じて「全社視点」は培われます。自身の経験に基づき、こうした積み重ねが組織をより強くしていくと確信しています。
icon image長井さん

事業部の垣根を越えて


icon imageO.T.さん
そうですね、従業員同士が部門を越えてもっと交流する機会があればいいと思いました。
icon imageF.Y.さん
私は過去に全事業部の勤労担当メンバーと共に仕事をする機会があり、その時に築いた人脈は今でも大きな財産です。事業部が違えば、保有している情報やネットワークも異なるため、部門を越えた交流が進めば、情報共有や連携がさらに活発になると思います。

顔の見える相手とは話が早いですよね。
いい時も苦しい時も互いに助け合い、協力し合える関係が大切です。事業部ごとに異なる知見があり、お客様の声の中には他部門に活かせるヒントもあるはず。仕事の相手は、いつも“人”です。互いの立場や思いを理解・尊重し、全社視点で連携を深めることが、これからの成長につながるはずです。
icon image長井さん

新明和に期待すること


社外の立場で見ていますが、当社は本当にいい会社だと感じています。真面目で技術力があり、退任した社外役員の方々が今も何かと気にかけておられる点からも魅力が伝わってきます。
一方で、いい会社だからこそ、さらに成長できる余地があると思っています。業績が好調な時ほど現状に満足しがちですが、その状態も永遠には続きません。成果を積み上げるだけでなく、将来に向けて新たなことに挑戦する姿勢も必要です。
icon image長井さん

icon imageO.T.さん
そうですね、目標が低いと気持ちが緩んでしまいますよね。
icon imageF.Y.さん
ただ、工場の状況を見ていると、現場としては新たな挑戦に踏み出したくても、設備投資や人材確保など課題が多く、ジレンマを感じています。

そうした現場の声を、今日のような場で共有し、意見交換できることが大切で、そんな機会をいただけたことを、本当にありがたく思っています。
当社には、他社には簡単に真似のできない「技術力」という強みがあります。しかし、その強みに満足せず、その先に何を目指すのかを考え続けることが大切で、そのためには、人財や教育など人事面でも変わっていく必要があると感じています。今回、改めて部門や立場を越えて意見を交わし、互いを理解することが重要だと感じました。

皆が同じ方向を向いて挑戦を続ける組織こそが、変化の激しい時代を乗り越えていけるのだと思います。私は社外取締役として、外部の視点もお伝えしながら、対話と学びを通じた意識改革の大切さをこれからも提起していきたいと思っています。
そして当社が「経営理念」の体現を通じて、これからも社会に必要とされる企業であり続けることを願っています。
icon image長井さん
集合写真
取締役 長井 聖子(ながい せいこ)さん

長井さんご専門の「ホスピタリティ」とは?
—「心」×「感知力」×「表現する力」でより幸せで健やかに

ホスピタリティは、「心」「感知力」「表現する力」の掛け合わせで成り立ちます。よかれと思った行動は自己満足に過ぎず、心と心が行き交って初めてホスピタリティは発揮されます。
「心」とは、素直さや謙虚さ、感謝の気持ちなど、人としての土台となるものです。また「感知力」とは、あらゆる出来事を自分事として捉える力です。

さらに、感知力は自分が何かを表現するためだけでなく、相手からの思いや配慮を受け取る力でもあります。
例えば、関西国際空港がロストバゲージゼロを実現している背景には、多くの人々の工夫や努力があります。感知力が高まると、イラストの左側の人のように普段当たり前に感じていることが、実は誰かの支えによって成り立っていると気づけるようになります。そして、その気づきは自然と感謝の気持ちにつながります。こうした好循環が広がることで、自分自身も周囲の人も、より幸せで健やかに過ごせるのではないでしょうか。

感知力がある人/ない人のイメージイラスト
  • ※Copilotで作成したイメージ画像です。