ノンクロッグポンプ
ノンクロッグポンプとは
ノンクロッグポンプとは、異物の詰まりを防ぐように設計されたポンプです。「クロッグ(clog)」は英語で「詰まり」を意味します。
ポンプ内部の羽根車が、固形物や繊維質の異物をスムーズに通過させる形状になっており、下水処理場の汚水処理、工場やプラントの排水処理、ビルや商業施設の雑排水処理、農業・畜産業での排水処理などに利用されています。

ノンクロッグポンプの羽根車の種類と特徴
ノンクロッグポンプは、羽根車の羽根の高さを高くし、羽根の枚数を少なくすることで、異物が通過しやすいように羽根車内の空間をできる限り大きくしています。羽根車の構造としては、主板に対して側板の有無により「セミオープン、クローズド」、羽根車の枚数により「1枚羽根、複数枚羽根」に分類されます。
セミオープンタイプの羽根
羽根車の片面のみ羽根翼を主板で固定する構造です。羽根車の製作・加工が比較的容易で、異物の除去もしやすい特長があります。しかし、固定されていない羽根とケーシング底面との隙間より流体の逆流が生じるため、ポンプ効率は後述のクローズドタイプの羽根より低くなります。

クローズドタイプの羽根
羽根車の上下両面を主板と側板にて羽根翼を固定する構造です。セミオープンタイプと比べ羽根車の製作・加工難度が上がります。羽根車の流路が主板と側板で覆われている構造(クローズド)のため、セミオープンタイプよりポンプ効率が高くなります。

1枚羽根
羽根車の羽根が1枚、または流水路が1つの構造です。複数枚の羽根を有する羽根車より広い通過空間を確保できるため、異物が通過しやすい特徴があります。しかし、1枚の羽根は回転軸に対して非軸対称であり、流体の圧力分布も同様に非軸対称となることから、振動が大きくなる傾向があります。
複数羽根
羽根車の羽根、または流水路が複数設けられている構造です。新明和工業の流体製品では2枚羽根をラインアップしています。1枚羽根に比べると通過空間は狭くなるものの、回転軸に対して羽根を軸対称にできることから、振動などのトラブルが少ないのが特長です。