75mごとにひとつは必須?マンホールそもそも話

街中で数多く見かけるマンホール。「マンホール=人の穴」の名前の通り、人が中に入り生活排水が詰まっていないかどうかを点検するための施設として設けられたのが本来の役割でした。この穴の中にポンプを設置するという当時としては画期的な発想で、よりスマートな下水環境づくりに貢献してきたのが、新明和が長年にわたり提供してきたマンホールポンプです。ところでこのマンホール、いったいどのくらいあるのかといえば、下水道法という法律では約75メートルにひとつの間隔での設置が定められています。そう考えると一つの自治体でも相当な数。新明和の技術が貢献する場はそれだけ広がっているということです。

地形を活かす、流れをつくる。理想の流れをつくる

ある家庭から、離れた場所にある下水処理場まで生活排水を送る場合、高い所から低い所へ、極力、自然に流れて行くのがベスト。しかしながら、中には生活排水をひと山越えさせなければならないような土地もあります。そこで重要になるのが、どこかの地点で生活排水を高い所まで移送させるということ。マンホールポンプはこうした役割を担っています。

効率も大事だけれど、もっと重要な通過性…つまり、つまらない

言ってみれば、マンホールポンプは地域のあらゆる生活の場から排出される汚水を、下水処理場に集めるための収集システム。雨水用ポンプではどれだけ効率的に水を吐き出せるかが重視されるのに対し、生活排水の場合、汚物の他、時としてタオルなどの異物が混入しているケースも多いためポンプには効率よりも通過性…つまり「つまらない」ことが最重視されます。また一方で、マンホール内に収まるようコンパクトな作りにしなければならず、その数も膨大なものとなるため、あまりコストを掛けられないという背景も。同じ水中ポンプでも求められるニーズは異なります。

マンホールポンプのパイオニアが送る秀逸ポンプの進化論

こうした、マンホールポンプに求められる様々なニーズに対し、新明和は長年にわたり最適な答えを探り続けてきました。ポンプの進化の歴史は水を組み上げる部位、インペラの歴史でもあります。通常、インペラの隙間を広げ通過性を上げるほど効率は落ちるものですが、当初、インペラの主流は通過性や効率より、排水量を優先させた「ノンクロッグ型」でした。その後、使用する場所に応じ、通過性に特化した「ボルテックス型」と、効率に特化した「スクリュー型」が開発されましたが、どちらも一長一短がありました。そこで、新明和はそれら三者の強みを合わせ持つポンプとして「改良ノンクロッグ型ポンプ(CNWX)」を開発。効率と通過性を高い次元で両立させたマンホール用水中ポンプとして現在圧倒的なシェアを誇っています。

業界に先駆けて開発したマンホールWeb監視システム

常に暮らしを支えるマンホールポンプシステムは、24時間安定稼働が求められます。そこで重要となるのがポンプの稼働状況を見守るシステムです。2000年に新明和は、マンホールポンプのパイオニアとして他社に先駆けWeb監視システムを開発。昨今のIoTやクラウド技術の進歩に伴いさらなる機能強化を進めています。他の監視システムは単に異常を知らせるだけのものがほとんどですが、新明和ではポンプを知り尽くしたプロフェッショナルとしての知見を最大限に活かし、監視システムから得られたデータを基に機器の予防保全へ向けた取り組みを支援しています。