生活排水を、美しく川へ、海へ。自然に還すプロセス

生活排水が最終的に集められる場所…下水処理場では水質改善のため、様々な装置によりいくつかのプロセスを経た処理が行われています。各家庭から出た生活排水は下水管を経由し下水処理場に送られると、まず沈砂池や除塵機によって大きな異物が取り除かれます。続いて、沈殿池で小さい異物が取り除かれると、汚水は活性化されたバクテリアに汚物を食べさせて分解する生物処理という工程を行う生物反応槽に送られます。ここで分解された汚物は槽底に沈殿され、消毒された上澄み水が川や海へと放流されます。また、沈殿された汚物は汚泥として引き抜かれ、様々な分野で再利用されます。こうした一連のプロセスをいかに最適化するか?そこにこそ、新明和の豊富な技術やノウハウが注ぎこまれています。

新明和の多彩なラインアップによる最適化提案

水処理のプロセスにおいて、特に中小規模の下水処理場では、新明和は水中ポンプをはじめスクリーンや撹拌機、ブロワといった多彩な製品を提案することで、水処理施設の設計、施工、運営、維持管理における最適なパートナーとして選ばれる会社へと成長してきました。中でも私たちが大きな信頼を勝ち得ている理由は、こうした様々な製品の多くを自社で開発、ラインアップしている点です。それぞれの用途に特化した製品の専業メーカーに対し、新明和では下水処理場向け製品の品質の均一化はもちろん、製品間の相性を重視した最適な提案、さらには緊急時のサポート体制など、高い対応力と迅速なレスポンスという強みを発揮。お客様から高い評価をいただいています。

メンテナンスへの美学から生まれた日本における着脱装置のオリジネイター

国内における新明和発の装置のひとつに、水中ポンプのメンテナンス作業を容易にした「着脱装置」が挙げられます。今日ではあたりまえのことですが、ポンプを水中から上げ下げする際、ガイドパイプに沿って簡単に作業を行うことができる機能で、槽の水を抜き、槽内の配管のボルト・ナットを取り外し運び出す…といった労力を大幅に省力化するもの。下水道事業では安定した機械品質や緊急対応におけるアフター面の充実がより強く求められるだけでなく、施設の老朽化に伴うメンテナンス時代の到来により、この機能の重要度はさらに増してきます。新明和はいち早く「着脱装置」を採用したメーカーとして認知されています。

時代はゼロ・エミッション進化する省エネ技術

ゼロ・エミッションのキーワードに代表されるように、今や省エネは必然の時代。私たちの製品も省エネを追求し一歩一歩進化を遂げています。例えばノンクロッグタイプの水中ポンプ「CNWX」は、羽根車の設計を見直すことで異物の通過性を損なうことなく、大容量の水を低出力で効率良く吐き出すことを可能に。また、送風機「遠心型ターボブロワ」は高効率インペラと高効率モータにおける送風効率もさることながら、空気軸受の採用により主軸を空気の動圧的作用により浮上させ、非接触での高速回転を実現。また、潤滑油を不要にしたことで、機器の損傷を効果的に減らし、維持管理性を大幅に向上させることができました。このように新明和では、さらなる省エネ・効率化に向け日々研鑽を続けています。

省エネから、その先の創エネへ。循環型社会への新視点

近年、下水道普及率の高まりによる予算縮減の背景の中、下水道事業は老朽化に伴う既存設備の適正な管理と健全な下水道経営の推進、また、より良好な水環境を実現するための高度処理の導入といった方向にシフトしつつあります。また一方で、循環型社会を発展させるために、処理水の再利用化や汚泥の資源化に向けた動きも活発化してきています。こうした市場変化の中、私たちは既存設備を大きく変更する事もなく機能を向上させる製品、維持管理費の低減化を実現する製品の開発・早期投入をこれからも続けていきます。さらに将来的には、新たなエネルギーを生み出す再利用化・資源化システムまで見据えた新たな仕組みを生み出すことで、今後の循環型社会に貢献していきたいと考えています。