新明和グループを代表して、皆の入社を心から歓迎する。

当社は1920年に航空機メーカーとして創業した。戦後、国内での航空機製造が一切禁止され、会社存続の危機に見舞われた時期があったが、諸先輩方が「国の復興と従業員の雇用を守る」という情熱と強い使命感、そして自ら培った技術力で、日本の復興に寄与するさまざまな製品の開発とその事業化に取り組み、会社存続の道を切り拓いてきた歴史を持つ。この「お客様の想いをカタチ（製品・サービス）にする」という精神が当社の伝統である。皆には、当社の歴史を理解し、また、伝統をしっかり受け継いでほしい 。
今回、大卒・高専卒の新入社員には、初の試みとして、内定通知とあわせて配属先を示した 。そのため、入社までの間、皆は会社知識を深めたことと思うが、「よく知っていること」と「できること」には大きな違いがあることを理解し、「知っていること」が「自らできる」ようになってもらいたい。そして、いずれ皆が後輩を指導する立場になった時は、会社の技術やノウハウと共に、その精神をも受け継ぐことを自覚してもらいたい。

加えて、入社後特に意識してほしいのは、ミスや失敗の原因が「自分にあるのではないか」と考えられる人であること。いかなる場合も、ミスを自分事として捉える謙虚な姿勢が大切であり、原因を追求し、それを自ら改善できる「勇気」と「誠実さ」を兼ね備えた「人間力」の高い人物に成長してもらいたい 。

企業は、持続的に成長していかねばならない使命を負っている。そのためには従業員が長期スパンで共通した目的や目標を持ち、その実現に向けて想いを一つに日々の業務に取り組むことが肝要である。当社は、「経営理念」、そして2030年にありたい姿を示した「長期ビジョン」を掲げ、これらを実現する手段として、長期経営計画に基づき活動している。皆も、我々とベクトルを合わせて、事業成長と企業価値向上を目指して一緒にチャレンジしてもらいたい。

最後に、重要なこととして「安全とコンプライアンス」について申し上げる。「安全は全てに優先する」ことを肝に銘じ、ルール・手順は必ず順守すること。同様に、企業として信頼を得るうえで、コンプライアンス（法令順守）の徹底は必須である。日常当たり前と思っていることや無意識に行動していることが、必ずしも正しいとは限らない。少しでも疑問に感じたら周囲に尋ねる心掛けが大切。

社会人になるまでの間、お世話になった方々への感謝の気持ちを胸に、今日からの生活をスタートしてほしい。
皆の社会人人生が、素晴らしいものとなるよう心から願っている。