ミライへの挑戦 - 新たな価値の創出に向けて

自動運転車の機械式駐車設備利用実現に向けた研究

機械式駐車設備の価値向上を目指して
自動運転自動車向け 機械式駐車設備の研究開発

Background of development開発の背景

 「100年に一度」といわれる自動車革命の鍵を握る自動運転技術は、自動車メーカーやIT企業主導で目覚ましい進化を遂げているものの、インフラ側との連携は進んでおらず、都市部の土地の有効活用に欠かせない機械式駐車設備に自動駐車できる車両という視点で具体化されていない。
また、GPS(全地球測位システム)の届かない地下や建物の中では自動車の自動運転機能の向上だけでは高価な装備が必要になるなど、完全自動運転および駐車の実現性が低く、インフラとの連携による制御が求められるなど、自動運転自動車(以下、自動運転車)の普及に向けて駐車設備の役割拡大に期待が寄せられている。
 加えて、自動車事故の約27%※が、平面や自走式の立体駐車場も含めた駐車場内で発生しているという調査結果もでており、自動運転車に機械式駐車設備を連携させることで、駐車場内を完全無人状態にできることから、場内の人身事故撲滅への期待も高まっている。

新明和のソリューション

 1963年に機械式駐車設備の開発に着手して以来、半世紀を超えて同設備にまつわる製品・サービスを提供してきた新明和。自動運転車をターゲットに据えた研究開発に取り組むべく、2017年12月、自動運転車の実用化に関する独自開発を進めている群馬大学との共同研究をスタートした。
 そして、2019年7月、群馬大学の「次世代モビリティ社会実装研究センター」内で実施した実験において、自動運転自動車の検証用機械式駐車設備への駐車に業界で初めて成功し、平面駐車と比べて高度な運転技術が求められる機械式駐車設備への自動入庫の実現性を示すことができた。
 この実証実験では、「V2P(自動運転車(V)と機械式駐車場(P)の間を通信で繋ぐシステム)」の確立により、駐車設備が安全かつ高精度に自動運転車を駐車スペースに誘導できることを証明した。

当社は、完全自動運転車が普及するまでの過渡期には、人が運転する車と自動運転車が混在することを想定し、最終的には、特定の環境下で人が運転に介在しない「レベル4」の自動運転車への対応を目標に掲げ、検証データを基に、機械式駐車設備が果たす役割の拡大を模索している。

開発現場の声

群馬大学
次世代モビリティ社会実装研究センター
副センター長 小木津 武樹氏

自動運転車の社会実装化を目指す研究の中で、自動運転車の普及には、車の機能向上のみならず、特に都市部においてはインフラとの協調が不可欠であると考えるようになりました。そして、どこにでも駐車できることに価値が生まれるという考えに至り、初めて「駐車」という行為に向き合う我々にとって、新明和は心強いパートナーです。今回の実験の成功は、次のステップに向けた新たなスタートに過ぎず、最終目標としている実用化には、2020年に予定している新明和の宝塚工場敷地内で行う実証実験の成功が大きなカギとなるでしょう。機械式駐車設備を使った自動運転サービスの実現に向けて着実に研究を進めていきたいと考えています。

パーキングシステム事業部 事業企画室
技術開発グループ
石田さん

市販の乗用車には、自動駐車機能や自動運転機能が加速的に備わってきていますが、取扱説明書に「機械式駐車設備には駐車できない」といった注意書きがあるのが現状で、自動運転の取り組みが進捗する中、機械式駐車設備だけが取り残されてしまうのでは、という危機感がありました。
そんな時、自動運転の研究で第一人者の群馬大学 小木津先生と共同研究できることとなり、新しい領域の研究開発をスタートすることができました。
まったく新しい取り組みで、技術的に苦労する点もありますが、産学連携のメリットでお互いに情報をオープンにできるため、純粋に互いの技術を高められるところに魅力を感じています。
今回の実証実験では、「車との通信」という初めての試みを成功させることができました。
今後は、2020年に実施予定の宝塚工場内の実証実験において、「車を停める」ことだけに留まらず、GPSの届かない駐車設備内や敷地内における駐車設備までの導線もインフラ側から誘導できるような仕掛けを構築し、自動運転の社会実装において重要な役割を果たせる存在になりたいと思っています。

新明和が描く自動運転社会イメージ

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