mini-FAKRA対応 同軸ケーブル自動加工機を開発
2025年08月01日
新明和工業株式会社(本社:兵庫県宝塚市、取締役社長:五十川 龍之)は、このたび、自動電線処理機の新製品「mini-FAKRA対応 同軸ケーブル加工機『CMM10』」を開発し、2025年8月1日から販売を開始します。
「CMM10」は、「高速通信ハーネス」等に使用される同軸ケーブル線の端末に、1台で「ストリップ」、「網線処理」、「内外導体端子圧着」などの加工および「品質検査」までを全自動で行える点が特長の加工機です。標準仕様、片端加工の場合は、この一連の作業をわずか4.5秒で実施します。

開発の背景
近年、自動車市場では、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動(EV)化)に対応する技術開発が加速する中、自動運転・コネクテッドの分野では、予防安全機能に必要な車載カメラの増加や、情報提供と娯楽体験を一体化したインフォテイメントディスプレイの搭載、ナビゲーションの進化などにより、これらに映像・画像データを転送するハーネスは高速化・大容量化が求められています。こうしたニーズに対応する同軸ケーブル※とmini-FAKRAコネクタ等で構成される「高速通信ハーネス」の加工は難易度が高く、自動化および機械化が困難な面があり、これまで工程ごとに専用の加工機を用いる必要がありました。
今後ますます需要が高まる「高速通信ハーネス」の生産現場からは、高度な加工品質とスピーディーな処理能力を両立した、生産性の向上に資する新たな加工機に期待が寄せられていました。
- ※同軸ケーブルとは、高速通信などに使われるケーブルで、電気信号をおくる「芯線」の周りを樹脂製の絶縁体で包み込み、その外側に信号の漏れや外部からのノイズ防止を目的とした金属製の網目状のシールド(外部導体)、さらに全体の保護を目的とした樹脂製のカバーで覆われた複数の層からなるケーブル。
当社では、今後も新技術開発と充実したアフターサービスの提供を通じて、お客様の生産性向上に貢献してまいります。
FAKRA(Fachkreis Automobil)とは、車載通信システムやアンテナ接続、そして自動運転技術などで広く使用されている、自動車業界で標準規格化された同軸コネクタです。mini-FAKRAは、それをさらに小型化し、高周波対応した同軸コネクタです。
1.mini-FAKRA対応同軸ケーブル加工機「CMM10」の特長
- 1 高い加工精度が要求されるmini-FAKRA対応同軸ケーブルの自動加工が可能。
- 2各社FAKRA主要製品に合わせて、カスタム対応が可能。
- 3独自圧着技術で、mini-FAKRA端子の同軸ケーブルへの高品質な圧着を実現.。
- CFM(Crimp Force Monitor/圧力監視システム)を標準装備し、圧着品質をもれなく管理。
- 合計4台搭載したカメラを用いて、工程ごとに品質検査を実施。
- 圧着機の部品交換が可能で、30/40mmストローク切替えにも対応。
- 4両端、片端末いずれの加工にも対応するなど、さまざまなニーズに柔軟に対応。
- 5独自の搬送システムを採用し、高精度位置決め加工を実現。
- 6ユニットの効率的な配置により装置設置面積の省スペース化を実現。
2.受注開始日
2025年8月1日
3.供給開始予定時期
2026年1月
4.価格
約1億円(標準仕様/税別)
5.主な販売先
ワイヤーハーネスメーカー
6.販売目標
年間50台(2030年度)
7.諸元(標準仕様)
名 称:型 式 | 同軸ケーブル加工機 「CMM10」 |
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加工種類 | 両端末加工処理 / 片端末加工処理 |
加工サイクルタイム | 9 秒 (両端加工) / 4.5秒 (片端加工) |
最小切断長 | 380mm以上 (両端加工)/ 90mm以上 (片端加工) |
装置サイズ | 9.0m x 1.85m x 2.0m (オプション部品除く) |
段取り替え時間 | 15分以下/端子1種類 (検査時間除く) |
本件に関するお問い合わせ先
製品について
〒230-0003
神奈川県横浜市鶴見区尻手3-2-43
報道機関の方
〒665-8550
兵庫県宝塚市新明和町1-1
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