線処理システム

民生市場・車載機器および二輪車を含む自動車市場向け 新型自動電線処理機(両端端子打機)を開発

電線加工の範囲を拡大

2024年10月01日

新明和工業株式会社(本社:兵庫県宝塚市、取締役社長:五十川 龍之)は、このたび、ワイヤーハーネス(組電線)に使用される電線の測長・切断、端子圧着などの端末加工を高速で行う自動電線処理機の新製品「両端端子打機『TRD801(以下、「TRD801」)』」を開発、2024年10月1日から販売を開始いたします。
「TRD801」は、安定稼働および加工品質への信頼性に加えて、自社の従来機と比べて電線加工範囲を拡大し、汎用性を高めた点が特長です。

両端端子打機「TRD801」

近年、中国および東南アジア等の新興国市場においては、各種家電・デジタル製品や、自動車、二輪車等の需要拡大と電装化の進展に伴い、各製品の内部に組み込むワイヤーハーネスの需要も増加しています。一方で、こうした国や地域においても人件費の高騰と労働者不足が深刻化しており、労働集約型の産業であるワイヤーハーネスを製造する市場からは、安定した品質で、幅広い用途・加工範囲に対応できる装置が求められています。

当社では、これまで主に「細線」または「太線」に特化した自動電線処理機を提供してきましたが、こうした市場の要求を具体化するべく、それぞれで実績・定評のある多種多様な機構を改良して組み合わせた上、培ったノウハウを駆使して段取り時間を短縮した結果、高い稼働率と加工品質、時間当たりの歩留まりを兼ね備えた「TRD801」を開発しました。

同機は、自社の従来機では加工が難しかったAWG30~32の電線加工を可能とし、1台で多様な用途へ適用する汎用性の高さが最大の特長です。

具体的には、1時間当たり最大5,000本という業界トップクラスの高い処理能力を有し、対応電線サイズはAWG16~32、最小切断長は35mmと、細線から太線、短尺加工までと幅広く、これにより家電・AV機器などの民生市場向けから、車載機器や二輪、建設機械を含む自動車市場向けハーネス加工まで、同機1台で複数対象の電線加工が可能です。
また、使用者の習熟度に関係なく、感覚を頼りに操作できるアイコン式画面を採用することで、操作性向上による作業の高効率化も実現しました。
このほかにも、高精度ターミナル・クリンピング・モニタ(HTCM)や、デジタル圧着機、シール挿入ユニット、遠隔監視システム(RMA-01)などを搭載し、品質および歩留まり率を向上しました。

当社は、今後もお客さまの生産性向上に貢献すべく、新技術開発と品質向上による生産性の追求に加えて、アフターサービスの充実もグローバルに推し進めてまいります。

1.特長

(1) ワイドレンジ加工に対応

  • 対応電線サイズ:AWG16~32
  • 最小切断長:35mm

(2) 多種多様な機能

  • アイコン式操作画面

    操作手順に合わせたシンプルな画面構成とアイコン表示により、経験の浅い作業者でもマニュアルに頼ることなく操作可能
    同時に、担当者によって操作範囲を設定できる「操作制限機能」を付加

  • 高精度ターミナル・クリンピング・モニタ(HTCM)

    芯線切れの10%以上を検出し微細な不良まで分別、端子圧着における高い判定性能

  • デジタル圧着機

    端子、電線の組み合わせごとに圧着位置を登録でき、登録データを呼び出せば自動で圧着高さを再現できる装置を装備

  • シール挿入ユニット

    エンジンルームなどの防水性能が必要なコネクタで使用される防水シールを、圧着前に電線に挿入するユニットを装備

  • 遠隔監視システム(RMA-01)

    自動電線処理機のPC内に蓄えられた情報をもとに、「加工不良レポート」「部材別加工不良レポート」「設定値別加工不良レポート」を自動作成するシステムを搭載

2.販売開始予定

2024年10月1日

3.価格

905万円(標準仕様/税込)

4.主な販売先

ワイヤーハーネスメーカー

5.販売目標

年間100台

6.諸元(標準仕様)

名 称:型 式 両端端子打機「TRD801」
最大加工能力 5,000 本/時 (切断長:50 mm)
電線サイズ AWG16 – 32(1.25 – 0.03 mm2
電線切断長 35 – 20,000 mm
圧着能力 24.5 kN (2.5 ton)(デジタル圧着機)
ストリップ長 F側:2~11 mm R側:2~16 mm(0.01 mm単位)
言語 日本語、英語 他
電源・エア 3相 AC200 V±10 %(50/60 Hz)4.5 kVA
0.5 MPa 150 L/min(ANR)

本件に関するお問い合わせ先

製品について

新明和工業株式会社 産機システム事業部
線処理システム本部 営業部

〒230-0003
神奈川県横浜市鶴見区尻手3-2-43

報道機関の方

新明和工業株式会社 経営企画本部 広報部

〒665-8550
兵庫県宝塚市新明和町1-1

以上

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