真空成膜・表面改質

ダイヤモンドコーティング装置を開発

2018年10月23日

新明和工業株式会社(本社:兵庫県宝塚市、取締役社長:五十川 龍之)は、このたび、難削材の切削工具などの耐摩耗性向上のためにコーティングを施す、ダイヤモンドコーティング装置を開発しました。
本装置は、11月1日から東京ビッグサイトで開催される第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)にてパネル展示し、2019年4月から販売を開始します。

ダイヤモンドコーティングは、難削材であるCFRP(炭素繊維複合材)、グラファイト、アルミニウム合金、超硬合金向けの切削工具、特殊なメカニカルシールや超硬金型に適用されています。
現在、国内では、ダイヤモンドコーティング装置を製造・販売するメーカーが少なく、国内の工具メーカーはじめダイヤモンドコーティングのユーザーのほとんどは、欧米のメーカーから導入しており、国内メーカーによる装置の提供およびサポートを切望されていること。また、当社航空機事業においては、大手航空機メーカー向けにCFRP製品を供給しており、ダイヤモンドコーティング工具を大量に消費していますが、ダイヤモンドコーティング工具は比較的単価が高く、コーティングの性能向上による工具寿命の向上がコストダウンにもつながるため、社内での技術貢献も視野に今回の開発に着手しました。

今回開発したダイヤモンドコーティング装置は、「熱フィラメントCVD方式」を採用し、これまで当社が真空事業で培った技術力を生かした独自設計と、「被コーティング材」と「用途」それぞれに合った"コーティングレシピ"を完成させ、耐摩耗性と密着性の高い最適なダイヤモンドコーティングを実現しました。
当社では、真空事業を強化するべく、2018年4月に真空機器・装置を製造する大亜真空株式会社をグループに加え、同社において、ダイヤモンドコーティングの手法の一つである「マイクロ波プラズマCVD方式」を採用した装置の製造を行っており、グループ一体となってニーズに合わせて最適な方式を提供できることも特長の一つです。

また、2015年から販売しているイオンエッチング装置(別売)が、超硬素材上のほぼ全てのコーティングを超硬素材にダメージを与えることなく除去できることから、今回開発したダイヤモンドコーティング装置がラインアップに加わることで、コーティングを「つける」「はがす」といった、超硬工具の再生に必要な表面処理技術について、一貫した提供が可能となりました。

CFRP製品は、航空機産業および自動車産業など、今後も伸長が期待できる産業向けに急速にニーズが高まっており、ダイヤモンドコーティング工具なども需要増加が見込まれます。
また、ダイヤモンドコーティング技術は、電解槽に使用される特殊電極、半導体デバイスといった分野にも応用が期待できることから、当社は、これらの分野での展開に向け、大亜真空株式会社と一体となって、開発および販売面での相乗効果を発揮してまいります。

1.特長

(1)ダイヤモンドコーティング装置の特長

  • 「被コーティング材」と「用途」に合わせた"コーティングレシピ"の提供により、高い密着性、耐摩耗性を実現
  • 当社除膜プロセスを用いて再コーティングにも対応

(2)イオンエッチング装置の特長<ご参考>

  • 超硬基材上のほぼ全てのコーティングの除膜が可能
  • 除膜による超硬の成分変化を抑制
  • 廃液等を出さないドライプロセスにより環境負荷を低減

2.主要諸元

ワークサイズ 工 具: φ0.5 - φ30 L200
その他: φ250 t30
膜厚 ~ 12μm
被コート材 超硬、セラミックス、金属

3.用途

切削工具、シール、金型 等

4.販売開始

2019年 4月

5.販売目標

2019年度 5台

本件に関するお問い合わせ先

報道機関の方

新明和工業株式会社 
経営企画本部 広報・IR部

兵庫県宝塚市新明和町1-1

製品について

新明和工業株式会社 
産機システム事業部 PB部

兵庫県宝塚市新明和町1-1

ご注意事項

このコンテンツに掲載している内容は、発表日現在の情報です。
これらの情報は、当社グループの事業戦略および組織の変更などにより、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。