オゾン層とフロン規制の話
フロンが及ぼすオゾン層への影響の解説や、当社が取り組む環境保護への姿勢を紹介します。
オゾン層を破壊するフロン

フロンとは一般的な呼称であり、正式名称をフルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)といいます。この中でCFC(クロロフルオロカーボン:特定フロン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン:特定フロン)がオゾン層破壊物質(塩素を含む特定フロン)です。
HFC(ハイドロフルオロカーボン)のことを、一般的に代替フロンといい、塩素を含まないため、オゾン層を破壊することはありません。
オゾンは大変不安定な物質なので、太陽光の吸収によって自然に分解されます。しかし太陽光による分解はすぐに酸素原子と融合することにより、オゾンが生成されバランスが取れていました。しかしフロンに塩素が含まれている場合、紫外線によってフロンが破壊され放出された塩素は、繰り返しオゾンと結びつくため、オゾン生成の循環が追いつかなくなり、オゾン層破壊という結果になってしまいます。
オゾン層破壊の影響
成層圏(地上10km~50km)に存在するオゾン層は、太陽から発生する有害紫外線(波長280~320nm)を吸収し生命を保護する大切な役割を果たしてきました。
しかし、このオゾン層を冷凍空調機冷媒や工業用洗浄剤・発泡用ガスとして広く利用されていたCFC(クロロフルオロカーボン:特定フロン)等の人工的に作られた化学物質によって破壊されることが1970年代後半頃から指摘されはじめました。
オゾン層が破壊されると、有害紫外線による皮膚癌・白内障の発症率が上昇する他、葉緑素の破壊による光合成の減少やDNAへの影響等、生態系への重大な影響をもたらす恐れがあります。
地球温暖化防止とオゾン層保護
オゾン層破壊係数ゼロのHFC冷媒も大気放出することにより地球温暖化の原因になります。

当社が2004年2月に発売を開始した真空装置用 超低温冷却装置 「NeoCold®」RCTシリーズは自然冷媒冷凍機に比べると直接影響は大きいですが、自然冷媒冷凍機の消費電力によっては、製品トータルでの地球温暖化影響は小さくなります。
特定フロンの生産・輸出入規制
日本ではモントリオール議定書に基づき1988年「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」を制定し1989年7月からオゾン層破壊物質の生産・輸出入の規制をはじめました。
原子構成 | スケジュール | |
---|---|---|
CFC系 影響大 | Cl,F,C | 1996年 全廃 |
HCFC系 影響小 | H,Cl,F,C | 2004年 65% 2010年 35% 2015年 10% 2020年 全廃 |
HFC系 影響ゼロ | H,F,C | なし |
- ※1989年消費量(生産量+輸入量-輸出量)の実績を基準とする
HFC冷媒を使用した “「NeoCold®」RCTシリーズ”
当社が2004年2月に発売を開始した 真空装置用 超低温冷却装置 「NeoCold®」RCTシリーズはオゾン破壊係数"0"。オゾン層を破壊しない冷媒のみを使用する業界初の超低温冷却装置です。
冷媒 | CFC12 | HCFC | HFC134a |
---|---|---|---|
オゾン破壊係数 | 1.0 | 0.055 | 0.0 |
地球温暖化係数 (CO2=1.0) |
8,100 | 1,500 | 1,300 |
- ※100年積分値
HFC冷媒でも大気放出することにより CO2 よりはるかに影響のある温暖化ガスとなりますので、必ず専門業者による回収と破壊が義務づけられています。(フロン回収破壊法2002年4月施行)
新明和工業の冷凍機ビジネスの歴史
新明和工業は長年に渡り超低温フリーザや自社真空装置用冷却装置を生産し、ガス漏れ等に対する装置信頼性の実績は高く評価されています。
