ShinMaywa INSIGHT

〈スペシャル対談〉 「あしたをもっと、スムーズに。」を紡ぐ、創造の力

大阪国際(伊丹)空港の航空旅客搭乗橋へと続く固定橋の広告の前で撮影

五十川社長 × 絵本作家・柴田ケイコさん 特別対談

「あしたをもっと、スムーズに。」を紡ぐ、創造の力


絵本作家として国内外で高い人気を誇る柴田ケイコさん。今回、新明和グループの新たな広告シリーズ「あしたをもっと、スムーズに。」のイラストと、アンバサダーキャラクター「メイメイちゃん」のデザインを手がけていただきました。制作の裏側、ものづくりへの想い、そして創造の源泉について、五十川社長と語り合っていただきました。

撮影協力:関西エアポート株式会社、関西エアポートリテールサービス株式会社

五十川社長×絵本作家 柴田ケイコさん 特別対談
広告を掲出する固定橋と航空機を結ぶ、当社製の「航空旅客搭乗橋」もご覧いただきました。

新広告シリーズ誕生――「あしたをもっと、スムーズに。」に込めた想い

五十川

柴田さん、本日はお忙しいなか、高知から大阪国際(伊丹)空港までお越しいただき、ありがとうございます。

固定橋の壁面に掲げられた当社の新広告を目にするたび、柴田さんが描いてくださったメイメイちゃん、そして温かみあるイラストに気持ちが和らぎます。

柴田さん

柴田ケイコさん(絵本作家)

私も実物を間近で見て感激しました。飛行機へと向かう通路が、メイメイちゃんのイラストで一気に明るくなっていて。旅の気分がぐっと盛り上がりますね。

柴田ケイコさん プロフィール

2002年からフリーイラストレーターとして書籍・広告・雑貨など、幅広いジャンルで活躍する他2016年に初絵本「めがねこ」(手紙社)で絵本作家デビュー。 絵本作品に「ぽめちゃん」シリーズ(白泉社)、「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)、 「しろくま絵本」シリーズ(PHP研究所)、「うごきません。」(大塚健太/文 パイインターナショナル)「パンダのおさじ」シリーズ(ポプラ社) などがある。 絵本「パンどろぼうシリーズ」では累計500万部を突破している。 (2025年12月時点)

五十川

そうなんです。この通路でイラストを見るたびに元気をもらっています。

ところで、柴田さんは、今回の制作をお願いする以前から、新明和グループのことをご存知でしたか?

柴田さん

じつは存じ上げていなかったんです。でも、制作の過程で御社のことを知るほどに、飛行機に架かる航空旅客搭乗橋も、下水道用の水中ポンプも、機械式駐車設備も、塵芥車も、モーターも!と、日常のあちこちに新明和グループさんの技術があったんだ、と気づいて驚くばかりでした。どれも人の生活を支えている、“縁の下の力持ち”の存在。まさに広告のコピーにある「どこかで誰かが」を体現する、すごくかっこいい仕事だなと感じました。

五十川

五十川社長

ありがとうございます。

新明和グループは現在、航空機、特装車、パーキングシステム、産機・環境システム、流体の5つの事業を軸に、それぞれの分野で社会インフラを支えています。
ただ、多くの製品や設備が“普段、一般の方が目にしないところ”で働いているため、気付いていただきにくい点が難点でして…。

柴田さん

それで、「あしたをもっと、スムーズに。」という新広告シリーズが生まれたのですね。

五十川

はい、私たちの仕事は、“明日をスムーズにする”ため、派手ではないけれど、毎日誰かの仕事や生活を支えている。その価値をもっと親しみやすいかたちで伝えたかった。そこで、人間では不可能な場所に行き来できる、それでいて愛らしい宇宙人のキャラクターを登場させようということになりました。柴田さんの描く温かな世界観が、新明和グループの姿勢とも重なると感じました。

柴田さん

うれしいです。ちなみに五十川社長は、私の作品をご覧になって、どのような印象を持たれたのでしょうか?

“コトづくり”でつながる想い――絵本と技術に通じるもの

五十川

柴田さんのドキュメンタリー番組を拝見した際、絵を描く姿勢や、一つひとつの表情に注ぐ丁寧な気持ちに感動しました。人気絵本作家として、常に評価される作品を生み出し続けるのは、並大抵のことではありませんよね。柴田さんが作品づくりで常に大事に思われていることは”読者“のこと。我々メーカーが、お客様や利用者のことを常に考えているモノづくりの姿勢と近いように感じました。

柴田さん

たしかに共通点がありますよね。

私は、絵本にも小さな工夫やサプライズを忍ばせるのが好きで、読者に「わぁ」と思ってもらえるワクワクを仕込む作業が、とても楽しいんです。

五十川

設計や開発の仕事も同じです。求められたもの以上の価値を提供して、お客様に驚き、喜んでいただく。それが私たちの使命です。

柴田さん

その“驚き”が、また次の創造につながるんですよね。

メイメイちゃん誕生――「やわらかさ」と「確かな技術」をつなぐ存在

新明和グループ企業PRアンバサダー「メイメイちゃん」
柴田さんに描いていただいた 新明和グループ企業PRアンバサダー「メイメイちゃん」

五十川

今回、「宇宙人」という設定でのキャラクター制作をお願いしたことについて、戸惑いはありませんでしたか?

柴田さん

まず、新明和グループさんが、どういうコンセプトをお持ちの会社なのか、しっかりと受け止めるところから始めました。また、それぞれの事業をテーマに、このキャラクターがどういう動きをするのか?ということを、プロジェクトチームの皆さんと話し合いながら作っていきました。

五十川

このたび、柴田さん作の愛くるしいメイメイちゃんに、新明和グループの企業PRアンバサダーという大役を担ってもらうことになりました。作者として、柴田さんがこのキャラクターに込めた思いを教えてください。

柴田さん

空を飛ぶメイメイちゃん

メイメイちゃんは、「怖くない宇宙人」にしたかったんです。のびのび空を飛んで、好奇心いっぱいに地球のしくみを調べている。触覚を動かしながら、あちこちに顔を出す子。色や表情、動きまで、子どもから大人まで親しめるように細かく調整しました。メイメイちゃんが登場する6つのイラストを描く際に、特に苦労したのは最初のラフスケッチですね。限られたスペースに、広告として伝えたい情報を“わかりやすく”配置するのに試行錯誤しました。今回制作した6つのイラストには、各々に“物語”があり、絵本づくりそのものでした。

五十川

リサイクルセンターや水中ポンプといった“普段見にしないもの”を、ここまで分かりやすく描いていただけるとは思いませんでしたので、うれしい驚きの連続でした。

メイメイちゃんがつなぐ未来――「見えない力」を、もっと身近に

柴田さん

新明和グループさんの事業分野は、本当に幅広いですね。

五十川

はい。しかも、ほとんどの製品が「オーダーメード」です。お客様の現場に合わせてつくるので一品一様。この、“お客様の想いをカタチにしていく“仕事こそ、私たちの誇りなんです。

五十川社長×柴田ケイコさん対談insight_2025_taidan_04

柴田さん

よく分かります。絵本でも、実は「表に出ない部分」をつくる工程がいちばん大変なんです。物語の土台、プロットをどう描くかで、作品の出来栄えが決まる、ともいえます。華やかに見える絵本の裏側には、膨大な見えない作業があります。

五十川

新明和グループの仕事も、暮らしを支えるインフラづくりが基軸です。表からは見えない製品や設備もあるけれど、確実に社会の役に立っている、そんな存在であり続けたいと思っています。

柴田さん

そうした“見えない力”を知ってもらえる存在として、アンバサダーキャラクターのメイメイちゃんが、お役に立てたら嬉しいです。

五十川

新広告の中で、柴田さんが描いてくださったメイメイちゃんが、当社のさまざまな事業をつないでくれました。一見バラバラに見える事業を、「暮らしを支える仲間」として一つの世界観で表現してくれた。これから末長く、私たちと一緒に歩んでいく存在として期待しています。

柴田さん

皆さんにかわいがっていただけたら、本当に嬉しいです。

五十川

柴田さんの絵本が大好きなお子さんやファンの皆さんが、柴田さんが描いたメイメイちゃんを目にして「どこの会社?」と興味を持ってくれるかもしれません。そこで、新明和グループを初めて知る方がほとんどでしょう。広告とメイメイちゃんを通じて、「あっ、新明和グループは、日々どこかで私たちの暮らしを支えているんだ」と感じてもらえたら、こんなうれしいことはありません。

変化を受け止めつつ、成長と持続を目指す

五十川

柴田さんほどの方でも、「次回作は、今回の作品を超えるものを」といったプレッシャーを感じておられることでしょう。これは、我々企業も同様で、ステークホルダーから常に成長を期待されています。しかし、100年を超える新明和グループの歴史を振り返ると、決して順調な時ばかりではありませんでした。業績に関して幾度も大きな落ち込みを経験してきましたが、大事なことはそれを引きずらないこと。私は、5年~10年スパンの長い目で見て、その間で事業成長していればよい、と考えています。柴田さんもまず健康を最優先に、時に休憩しつつ、ファンのためにも、息の長い作家生活を送ってください。

柴田さん

貴重なアドバイスをありがとうございます。五十川さんのエールを心に留めて、「生涯現役」を目指して、これからも描き続けたいと思います。

五十川

本日は、どうもありがとうございました。

五十川社長×絵本作家 柴田ケイコさん 特別対談
「あしたをもっと、スムーズに。」

この言葉が、メイメイちゃんとともに、より多くの人々に届くことを願って。 今日も、社会のどこかで新明和グループの製品・サービスが社会インフラを支えています。