開発プロジェクトの一例
ハイウェイ・トランスフォーマー
開発プロジェクト
高速道路上の車線規制内で路上作業員を保護する「ハイウェイ・トランスフォーマー(大型移動式防護車両)」。伸縮式・左右スライド機能を持ち、約10m×2m以上の作業空間を確保します。後部衝撃緩衝装置を搭載し、走行車線・追い越し車線の両方の工事に対応できる国内初の道路作業セミトレーラです。
約10ヶ月(2018年12月設計着手~2019年12月納入完了)
※一般的な重トレーラ製作工程は2年以上とされる
ご依頼の背景
2017年8月、高速道路の舗装現場にスマートフォンを見ながら走行してきた大型トラックが作業エリアに突入し、作業員1名が死亡、4名が重軽傷を負う痛ましい事故が発生しました。近年、規制区域内への誤進入事故が大幅に増加しており、中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋が「高速道路上の車線規制内で路上作業員を保護する車輌および装置」をテーマに技術提案を公募。新明和工業のみが応募し、子会社である当社に対応を依頼しました。
課題・問題点
樹脂製コーンや標識装置での注意喚起では、高速で突入された場合に作業員を守れず、逃げる時間もない危険な状況。誤進入車から作業員の生命を守り、安心して作業できる区域を確保する安全性の高い製品が必要でした。
技術的な難しさと独自性
課題解決のための工夫・
アイデア
米国やヨーロッパの衝撃緩衝装置搭載車両の調査を開始。米国フロリダのモバイルバリア社製品を参考にしましたが、国内の保安基準に適合しないために輸入を断念しました。国内で独自製作することを決定し、旋回性や起動力向上のため伸縮式を採用、追い越し車線での作業を可能とするため左右スライドビーム構造を考案しました。
特別な仕様・機能
- 総重量28t以内の1軸基準内セミトレーラ(特車申請不要)
- 左右スライドビーム構造(走行車線・追い越し車線両対応)
- 幅と長さが変化する国内初の構造で運輸局・公安委員会の緩和認可を取得
- 伸縮式で作業空間10m×2m以上を確保
- 後部衝撃緩衝装置(米国製スコーピオン)搭載
- 高輝度回転灯および標識装置
発揮した当社の技術力・
対応力
通常2年以上かかる重トレーラの製作を、わずか約10ヶ月で完成。作業員の安全と生命に関わる緊急性の高い案件として、設計部門・製造部門が一丸となり特別枠で対応した結果です。国内初の幅と長さが変化する車両として、運輸局・公安委員会との複数回の折衝を経て緩和認可も獲得しました。
納車後の評価・お客様の声
伊勢湾岸道や新東名高速道路で、高所作業車による作業、路面補修作業、草刈り作業の防護に採用されています。作業員から「囲われたエリアでの作業は安心感があり作業に集中できる」との声が多く寄せられました。
2020年10月にはグッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)を受賞。特許1件(2024年に1件追加)、意匠登録5件を取得し、高い評価を得ています。