ShinMaywa INSIGHT

固定翼型無人航空機「XU-S」の実用化を目指して(3)

航空機事業 研究開発

淡路島にて環境観測試験を実施

2020年10月22日、約4時間に及ぶ長時間と長距離飛行に成功した、当社航空機事業部が研究開発を進める固定翼型無人航空機「XU-S(“Experimental Unmanned / Utility aircraft by ShinMaywa)」。

このたび、同年11月30日(月)から12月2日(水)の3日間、兵庫県淡路市において、日本気象株式会社および神戸大学と共同で、同機体を使用した環境観測試験を実施しました?✨
本試験は兵庫県の委託事業「令和2年度ドローン先行的利活用業務(官民連携分野)」の一環で、無人航空機(ドローン)を用い、上空の大気汚染物質等の分布を測定するもので、日本気象株式会社は測定器の校正・運用、神戸大学は取得データの解析、そして、当社は無人航空機の提供と測定器搭載、実証試験時の機体運用を担当しました。

「XU-S」は高高度で長時間滞在できるだけでなく、電動式で自ら排気ガスを排出しないため、大気観測において正確なデータを取得できることが特長です。

試験では、オゾン濃度測定器、PM2.5濃度測定器および気象センサーを搭載した無人航空機を、時間帯を変えて地上から上空約500mまで飛行させ、大気汚染物質の濃度や気温・湿度などの鉛直分布(高度別のデータ)を取得しました。
今回取得したデータを解析し、大気汚染の立体構造の日内変動を把握することで、今後高精度な予報が可能になるものと期待が寄せられています?

「XU-S」の開発に携わる技術部 企画研究課 宮内さんのコメント?


2019年から実証実験を重ねてきた「XU-S」ですが、2020年からは、単なる設計の実証にとどまらず、お客様の要望に応じた飛行が実施できるようになってきました。
ここまでに要した開発期間は通算2年と極めてスピーディーに進めてきましたが、大きな事故もなくサービス実証までたどり着けたことに安堵しています。
一方で「XU-S」は、当社の技術的ポテンシャルの一端に過ぎません。100年という長い歴史をもつ当社は、航空機事業以外にもさまざまな事業を展開しています。
こうした事業間の“共創”により、本機体の改良にとどまらず、さらに広く社会の期待に応えられる取り組みを展開していきたいと考えていますので、応援のほどよろしくお願いいたします
(1) 飛行に向けて機体の調整を重ねる開発メンバー
(1)飛行に向けて機体の調整を重ねる開発メンバー。
飛び立つ直前の「XU-S」(2)飛び立つ直前の「XU-S」
開発に携わる宮内さん(写真左)(3)開発に携わる宮内さん(写真左)

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