イオンエッチング装置

装置販売

技術情報

イオンエッチング装置とは

イオンエッチングとはイオン化された原子を対象物に衝突させ、物理的に削る技術の一つです。
当社では独自のイオンエッチング技術を用いて、切削工具や金型、各種部品向けに除膜装置を開発しました。
除膜とは基材上のコーティングを剥がすことを指し、除膜することにより、基材の再利用が可能になります。

イオンエッチング装置
イオンエッチング装置

除膜には化学薬品を用いる手法もありますが、除膜する膜種により薬液が異なることや基材へダメージを与えるなどの問題があります。
超硬合金基材に使用する場合、成分であるコバルト(Co)を薬品が溶かし出し、表面を荒らすことから再利用が困難とされていました。

当社のイオンエッチング装置は、化学薬品に代わる新たな除膜方法として有効です。
化学薬品を使用しないドライな環境下での処理により、超硬基材に含まれるコバルト(Co)溶出がなく、基材表面へのダメージは最小限に抑えられるメリット以外に環境負荷と人にも優しい処理が可能です。
用途は「除膜」だけでなく、「微細バリの除去」や「先端形状の修正(先鋭化)」へも可能です。

イオンエッチングイメージ
イオンエッチングイメージ
イオンエッチンググラフ
除膜前後の成分比較

メリット

除膜により基材を再利用できることで、基材費用および加工費など、コストを削減することができます。
成膜装置を所有するお客様の場合、バッチ不良時のリカバリとしてご使用いただけます。
化学薬品を使用しないため、廃液処理などが必要なく、クリーンな環境を提供いたします。

イオンエッチング装置について

装置として多品種少量向けに小回りの利く利便性を追求したコンパクト型と標準型をラインアップしております。
お客様の要望や対象物、生産性を考慮し、最適な装置をご提案させていただきます。

装置仕様 & 対象膜種

装置仕様
シリーズ IEシリーズ cIEシリーズ
サイズ W 2,300mm W 900mm
D 1,400mm D 1,200mm
H 2,350mm H 1,700mm
質量 約 1,600kg 約 700kg
使用ガス Ar, O2 Ar, O2
イオンガン 4, 6, 8基 3, 5基
最大消費電力 19-31kVA 9-12kVA
除膜対象(コーティング)
炭素系 ダイヤモンドコート, DLC
窒化物系 TiN, TiAlN, AlN, AlCrN, TiCrN, CrN etc.
金属系 Si, Cr etc.

応用例

超硬基材上のコーティング工具

  • 超硬素材にダメージを与えることなく、コーティングの除膜が可能です。
  • 除膜後も形状や鋭利な刃先を維持できます。
  • 超硬基材以外の材料にも応用が可能です。

超硬エンドミルの除膜事例

AlCrN 系

エンドミル

基材: 超硬合金
膜種: AlCrN (2-3μm)

超硬ホブカッタの除膜事例

ホブカッタ除膜前と除膜後

動画

[再生時間:3分49秒]

超硬パンチの除膜再生

パンチ除膜前と除膜後

動画

[再生時間:48秒]

レンズ金型

レンズ金型除膜後

注射針のバリ取り効果

注射針除膜前と除膜後

お問い合わせ先

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