軍用機から水上機まで 航空の多様性に触れる
EAA AirVenture Oshkoshは、「民間型式航空機※1以外全て」というオールジャンルの航空機を見学できる貴重な機会です。(※1民間型式航空機:民間航空機や無人航空機の新しい型式について、国が安全性や環境への適合性を確認し、基準を満たしていると認めた航空機のこと)
その中には第2次世界大戦中に活躍した航空機や、開催年によっては第1次世界大戦以前の機体の展示もあります。また水上航空機やVTOL実験機といった、日本では目にすることが極めて難しい航空機まで動態展示されます。
EAA AirVenture Oshkosh2026紹介の第2回として、軍用機と水上機について現地の模様をお伝えします。
➀ 軍用機エリア
民間で保存されているクラシック機に加え、例年、米空軍による強力なバックアップのもと現役の最新鋭機も多くフライインします。会期中は、80年前の機体から現在の最新鋭機まで、戦闘機・攻撃機・哨戒機・輸送機などが次々と飛行します。駐機中の機体は内部を見学できるツアーもあり、長蛇の列ができるほど人気です。
並んで飛行する異なる時代のウォーバーズ
地上展示の中で筆者にとって特に印象的だった機体をいくつか紹介します。
1機目はConsolidated PB4Y-2 Privateerです。胴体の下部ハッチから見学者が入れるようになっており、フレーム・ロンジロン・ストリンガーといった機体構造を直接観察できます。旅客機では内装の下に隠れやすいのですが、このような構造は80年前には既に完成された様式であったことがわかります。
Consolidated PB4Y-2 Privateer
順番待ちで胴体の中を覗く
米国版の東大寺「柱の穴くぐり」は飛行機のお腹です
筆者も覗いてみた胴体内部の構造。
ご利益は「設計力がつくかも!」
もう1機は現用輸送機であるBoeing C-17 GlobemasterⅢ。
とにかく大きい。アメリカらしい。
怪獣の口みたいな機首扉のスロープから入って胴体を通り抜けると、高速道路のトンネルのような広さと長さに圧倒されます。そんな巨大構造の前後に大きな出入口を設けながら与圧も維持する可動部の機構など、繊細なつくりにも感銘を受けました。
広い会場でも際立つ機首扉を開放したC-17 GlobemasterⅢ

与圧隔壁を備えた前部扉 と コンパクトな昇降梯子
②水上機エリア
続いて、個人的にエアベンチャーの中で一番のお気に入りとなった水上航空機の展示についてです。飛行艇・フロートを含む水上航空機は2箇所で見ることができます。1箇所目は本会場における駐機エリアで、着陸脚を備えた水陸両用機が機種ごとに並んでいます。オーナー達は翼の下にテントを張ってのんびり過ごしており、自己紹介すると気さくに見学に応じてくれました。個人オーナーのGruman Widgeonが現役で飛んできていることに感動しました。

地上展示スペースの飛行艇と水上機
もう1箇所は本会場から南東に数キロメートル離れたLake Winnebago湖畔のシープレーンベースです。水上航空機の離発着のための特設コントロール(管制塔)が設けられており、陸上空港と違って湖面の風況や波の状態を伝えているのが特徴的です。延べ1万機がフライインする本会場に比べて、水上機は100機弱しか来ないため、水辺の涼やかな風と相まって穏やかな雰囲気です。乗員は水上係留した機体にボートで行き来するか、桟橋に横付けして直接乗り降りします。風向き次第で逐次変化する離着水経路がアナウンスされます。陸上航空機よりも自然との対話の模様を克明に観察できるのがシープレーンベースの魅力だと感じます。

シープレーンベースの飛艇と水上機
離水する飛行艇「RC-3シービー」顔に水飛沫が掛かる距離で撮影
最後に、シープレーンベースでは「日本から来た。シンメイワの社員だ」
と言うと皆大いに食いついて話が盛り上がりました。「US-2」は世界最大の旅客数を誇る航空大国アメリカでも飛行艇好きなら知らない人はいないほど有名で人気のある航空機だということに、驚くとともに大変嬉しく感じました。
会場で売っていたUS-2のTシャツ
買ってしまった
次回は、この会場でしか見られないイベントの模様を紹介していきます。