真空成膜装置のお話

3.新明和の真空成膜技術

-ますます広がる真空成膜技術のフィールド

新明和工業では、透明樹脂材の中でも安価で高硬度、光学特性に優れ、成形しやすいなどの特長があり、需要拡大が期待できるアクリル素材への成膜に着目し、アクリル基板向け真空成膜装置の開発に取り組んできました。
DVDやデジタルカメラ、携帯電話などの製品は、年々、軽量・低コスト化が進んでおり、従来のガラスや金属から、軽くて安価な材料として樹脂が注目されてきました。ただし、樹脂材料は、熱に大変弱いうえ、薄膜が付着しにくいなど成膜対象としては不向きとされてきました。

SPDイオンコータ®

SPDイオンコータ®

そこで当社は、無加熱成膜装置「SPDイオンコータ®」を利用して、アクリル上に光学特性、密着性、耐久性を保ちながら成膜するプロセスを開発しました。「SPDイオンコータ®」は、「イオンプレーティング」を利用した成膜装置です。「イオンプレーティング」は、放電(プラズマ)中で膜材を加熱・溶解することで、蒸発粒子にエネルギーを与えて薄膜を形成する方法です。当社の「SPDイオンコータ®」は高真空(10-3Pa台)でも安定したプラズマを維持できるため、不純物が少なく、低温でも硬質、高密度で、密着性の高い薄膜を形成することが可能です。
これによって、従来はガラスや高価な特殊透明樹脂材を用いていた光学機器向け部品を、より安価で汎用的なアクリルに置き換えることができるようになったのです。
また、液晶ディスプレイなどの大型化に伴って、製造ラインからラインへと、従来のように作業者の手で搬送することの負担も大きくなりつつあります。そこで、新明和では、ロボットや自動電線処理機で長年培った技術の応用として、搬送装置を組み込んだインライン式成膜装置なども数多く手がけています。
「薄膜」を利用した製品の高機能化は、今後もますます進むでしょう。新明和は、独自の技術とノウハウをフル活用し、一歩先の「真空成膜技術」を開発するために、挑戦を続けていきます。