真空成膜装置のお話

1.身近な生活を支える真空成膜技術

デジタルカメラのレンズに、自動車のランプに――。

真空成膜装置とは、真空状態にした容器中で対象物に薄い膜をつける装置のことです。膜の厚みは対象製品によって異なりますが、だいたい0.1~数十マイクロメートルほどの薄さで、家庭用のアルミホイル(数十マイクロメートル程度)よりも薄いのです。

現在、この薄膜はさまざまな分野に活用されており、私たちの身近にもたくさん存在しています。では、どんな製品に使われ、どんな役割を果たしているのでしょうか?具体的にご紹介しましょう。

たとえば、こんなところで使われています。

めがねやカメラのレンズ(光をより通しやすくするための反射防止膜)

菓子袋やペットボトル(樹脂製の菓子袋内に湿気の進入を防ぐための保護膜)

ドリルの刃の表面(刃先を摩耗しにくくする硬質膜)

また、実際には、一種類の膜だけではなく、互いに異なる機能を持った膜を重ね合わせる場合も数多くあります。たとえば、次のような例があります。

自動車のヘッドランプリフレクター(樹脂製の反射鏡の表面につけるアルミ製の反射膜とその保護膜)

モバイル機器や携帯(タッチパネルなどに用いられる透明導電膜、画面のチラツキなどを減少させる反射防止膜、指紋などがつきにくい防汚層など)

真空成膜装置と、それによって生成されるさまざまな薄膜は、今や、私たちの日常のさまざまなシーンで活躍する、なくてはならない存在となっています。

さて、次回は、この真空成膜装置によってどんな風に薄膜を生成するのか、その仕組みについてご紹介します。