飛行艇開発ストーリー

PS-1 対潜哨戒機(開発機体名称 PX-S)

UF-SXの実験飛行の成功を確認したことで、防衛庁における対潜哨戒を目的とした新型飛行艇に関する本格的な予算化が決定し、官民一体となった開発推進体制が整えられました。

そして、1966年1月、当社は防衛庁と新型飛行艇開発第1号機に関する契約を締結し、社内にPX-S推進委員会を設けました。この飛行艇の開発製造には、富士重工業株式会社と日本飛行機株式会社にそれぞれ協力生産を得て進め、1967年10月17日に初飛行に成功します。
PX-S開発の目的は「波高3メートルの荒海で離着水可能であること」でした。1968年4月に紀伊水道沖の外洋で行った荒海離水試験は、海外からも注目を集めました。最大波高4メートルを示した4月23日の記録には、着水したPX-Sが沈没しつつあるように錯覚することさえあったと記されています。この試験で耐波性が極めて良いことが立証され、その後、試験飛行を重ね、1968年8月に海上自衛隊に引渡しを完了します。
1970年10月に同機は、海上自衛隊の制式機として承認され、「PS-1型航空機」とよばれることとなりました。
PSとは、Patrol Seaplaneの略で、対潜哨戒機として海上自衛隊で運用され、当社で1979年までの間に23機を製造しました。

写真:PX-S 水を切って飛び上がろうとする初飛行シーン

PX-S 水を切って飛び上がろうとする初飛行シーン

写真:PX-Sの荒波試験

PX-Sの荒波試験(紀伊水道沖にて)

写真:PX-S試作1号機納入式典

PX-S試作1号機納入式典

写真:PS-1 水上滑走

PS-1 水上滑走