飛行艇開発ストーリー

UF-XSの実験

飛行艇の基礎設計が完成したものの、技術的な問題以外に、「開発資金の確保」も当社にとっては大きな課題でした。そこで、政府からの発注を受けるために、飛行艇が対潜哨戒に最も有効であることについてPR活動を行ったところ、アメリカの海軍が当社の新型飛行艇計画に注目し、1959年に菊原をワシントンに招聘。菊原は、海軍首脳者と会談し、「日本の海上自衛隊から公式の要請があれば、技術と資材についてアメリカ海軍は全面的に援助する用意がある」との約束を取り付けることに成功します。
そして、菊原は「本開発に取り掛かる前に、実機で新技術の飛行実験をしたい。そのためにアメリカ海軍所有の飛行艇を1機供与してもらいたい」と申し出、承諾を得ます。
それが、グラマン社製のアルバトロス機でした。
1960年には、防衛庁の方針として新しい対潜哨戒機の開発に関する方針が決定。アルバトロス機は、1960年12月に甲南工場に到着し、新技術を織り込んで改造したUF-XS実験機は、1962年12月に初飛行に成功します。この機体を使った実験は、海上自衛隊で1964年まで行われ、優れた耐波性が確認されました。

写真:アルバトロス機

甲南工場に到着し、陸揚げされるアルバトロス機

写真:UF-XS実験機

UF-XS実験機